第2章 入試、そして
「誠人?手紙来てるよ。雄英高校から」
試験が終わって、結果が分かる日。
母に呼ばれる。
「ん、ちょー『やァ、誠人くん!久しいねぇ。君の大好きな治くんだよ~。知っていると思うが、君は勿論、雄英高校に合格した。おめでとう。私は君がマフィアから抜けた時と同じくらい嬉しいよ。ここで私から君へのメッセージ。これから先、君を狙う輩が増えるだろう。私に会いに来るまで絶対に、堕ちるなよ。それじゃァまたね』…ぁ」
「良かったね。合格だって!今日はご馳走よ~」
何も突っ込まんのか母上。
この人がっつりマフィアっつったろ。
却説、先の映像…と云っても治くんは写っていなかった。
声だけの演出だったが、僕にやる気を与えるのには充分すぎる。
何故彼が今このタイミングで僕にそれを与えたのか。
「鍛えろってことかな。次に備えて」
時には僕でさえ見落とす小さな歪みも見付けてしまう男だ。
彼が云うという事は、そう云う事。
異能力は健在で、前世の記憶もバッチリ使える。
中々に僕は優秀らしい。
「先ずは武術のおさらいから始めますか」
この日から、僕は鍛錬に明け暮れた。