第2章 training
かぐらの部屋に到着すると、ベッドに棘をゆっくり下ろして布団をかける。
寝ていると本当にただの幼い男の子だな
静かに笑って棘を撫でる彼女を横目に、ベッドに腰掛けるように床に座る。
「傑、ありがとう」
『どういたしまして』
ふわりと笑って私を覗く彼女も私の隣に腰を下ろす。
腕に触れる彼女の肩に少し胸が締めつけられるが、気付かないフリをして息を吐いた。
これはマズいな
そう自身の気持ちを封印しようとするが、彼女の方からビニールを触る音がして横を向けば、お菓子の袋を開けようと頑張っているようだった。
『ははっ、貸して』
「わっ、一瞬で開いちゃった!ありがとう!」
2人きりの時にそんな可愛い顔を見せないで欲しい。
諦めがつかなくなる。
開いたスナック菓子を彼女渡すと床に横になり、彼女の太腿に頭を乗せた。
びくりと揺れた彼女のことは無視して目を閉じると、片手で両目を覆う。
たまにでいいから彼女を貸して欲しいと思うのは、狂っているだろうか…
『明日から私と悟は任務でしばらく高専を離れるから、無理はしないようにね』
「ふふっ…寝ながら言われてもなぁ」
『それは確かに。…少しだけ寝かせてくれ』
「大丈夫だけど…床痛くない?棘の横でもいいんだよ?」
『ここじゃないと駄目なんだ』
そう言うと、少しの間があって頭を撫でられる。
頭を撫でられるなんていつぶりだろうか
心地良い感覚に全身の力を抜いて、近くにあったもう一方の彼女の手を掴むと、また彼女の身体がびくりと揺れる。
寝ぼけてると思われてるならそれでいい
それでいいんだ…