第8章 ぼんじゅうるさんの守護霊の正体
ぼんじゅうるさんの家に向かうと、本当に困った様子でごめんと何度も謝りながら早速配信部屋に案内してくれた。ぱっと見破損はないのだが、ぼんじゅうるさん曰く上手く動作しないとのことでパソコンを起動してみるとタスクだらけで、さらにそれらが謎にグループ分けされていて情報が混雑していただけだったことが分かり、必要じゃなさそうなものを削除したらすぐに解決した。
「いやぁ、ごめんね? こんなことなら自分でなんとか出来たよね〜」
「いえ、焦ってると訳わかんなくなっちゃいますから」
お力になれてよかったですと答えると、ぼんじゅうるさんは満面の笑みを浮かべる。この人にもどこか人懐っこさを感じてちょっとだけドキッとしたのは秘密だ。それよりこっちを見下ろしてくる守護霊が怖いんだけれども。
「あの……」
「え、何?」
好奇心が勝ってついつい口走ってしまった一声。
私の声を聞き逃さずにこちらを見つめるぼんじゅうるさんに、やっぱなんでもないとは言えずに、守護霊の正体が誰なのかそれとなく聞き出そうと言葉を考えた。
「ぼんじゅうるさんって昔、何かやってました……?」
すると目の前のぼんじゅうるさんがふっと顔が緩み、それからあ〜、あれねと話続けた。
「俺ね、昔役者やってたのよ。ちょっとだけね?」
「ああ、役者……」