第7章 MOB自慢大会へ
そうしてやって来たMOB自慢大会。僕は見学ということで来ただけなので、取り巻きたちを出来るだけ少なくして来たんだけれども、それでも目立つみたいで、周りの一般人を驚かせてしまった。
執事に地味な色の服装を頼んで着てきたのだが、だめだったのだろうか。
大会は早速進み、ネコおじという猫のMOBが一生懸命アスレチックに挑戦する舞台が見えた。頼んでもいなかったのに、運営スタッフさんが特別席を用意してくれていたのだけれども、それを断って遠目で眺める。あ、落ちた。ネコおじは慌てた様子で飼い主の元に戻った。猫もかわいいかもしれない。
ちらりと手元のMOBを覗き込むと、パンダドズルは隣の飼育カゴにいる知らないMOBにステーキをあげていてはっとした。隣には、髪の長い幼い顔をした女性が立っていて、彼女の飼育カゴの中にも、五体のMOBが入っていた。
「あの、お嬢さん……」