第2章 アナタにタッチしたい
ある日のドズル社。
俺たちは、全員がドズル社に集まり、スタッフを含める会議に参加していた。
俺なんて参加しても大して発言をすることもないだろうから、と聞いてるフリしながら横目でドズルさんの顔を盗み見たりしていた。
あー、今日もドズルさんカッコイイなぁ、なんて。
横を向いたり、みんなを見回したり、あ、今瞬きしたなぁなんてそんなことばかり目がいったりしていて。
適当に資料に目を通すフリをしながらちらちら見ていると、急にドズルさんと目が合って思わず肩が飛び上がった。
「MENはどう思う?」
なんて話を振られて。
「あー、そうっすねぇ」
目線を宙に泳がせて適当なことを言おうと思ったのだが、すぐにはドズルさんに見抜かれて。
「はははっ、やっぱMEN、聞いていなかったんでしょ」
ご名答。さすがドズルさんです、とおだてて誤魔化せば、どっと笑いが湧き上がって俺の話は流されていく。これで一安心、と思っていたが、隣の席にいたおんりーには何かしら勘づかれていたみたいだ。