第5章 あの人と出会ってしまった
「とても美味しそうね。いただきます」
白いどんぶりの上には大きく切られたマグロの赤身と中トロ、そして大トロがグラデーションになるように盛り付けられている。
その隣にはふっくらとしたホタテと鮮やかなオレンジのサーモン、分厚いブリのお刺身に透き通ったイカ。
甘エビの横にはカシラ付きの大きなボタンエビがのっている。
爽やかな彩りを添える大葉と小ネギ、堂々と真ん中にたっぷりとかけられたイクラ。
目で見ても楽しい綺麗な海鮮丼と3つの小鉢にお味噌汁。
それぞれロメインレタスがふんだんに入ったサラダに、明太子が混ざったポテトサラダ、タレのかかった豆腐がのった小鉢。
お味噌汁はアオサのいい香りがする。
「見た目以上に美味いな。何杯でもいけるわ」
「これを何杯も?食べ過ぎよ」
ボリューム満点の海鮮丼ランチに舌鼓を打ちながら、話題はさっきまでの出来事へ。
「傑には俺らが付き合ってるのバレてるっぽい。おめでとうってメールきたし」
「やっぱり…」