第5章 あの人と出会ってしまった
「はい!ここで俺の練ってきたプランを発表します!」
「手を繋ぐ以外に?」
「それは最終目標!今から発表するのは、これからの過ごし方!」
だったらもっと早く発表してよ、とは思ったけど言わないでおいてあげた。
五条くんに振り回されるのは少し慣れてきたから。
「まず一通り館内を見て回るだろ?で、併設されてるカフェで昼飯食べて、午後のイルカショーを見る!どうよ、完璧っしょ」
「大体の人が考えそうなことね」
思ったよりも安直で本当に考えたのか怪しいけど、五条くんのテンションの上がり方を見るに、計画として考えてくれてはいたみたい。
「てなわけで、次は大水槽だな」
順路通りにエリアを進んで、見上げても視界に収まり切らない巨大な水槽の前で立ち止まる。
種類の違う魚が喧嘩することなく伸び伸びと泳いでいる。
肉食のサメも同じ水槽にいるのに、小魚を襲う様子もなく自由に泳ぎ回っていた。
「どうしてサメは小魚を襲わないのかしら」
「それはだな、サメは常に餌を与えられていて襲う必要が「あ、書いてあった」