第2章 馬鹿と告白と初デート
「や…めて、も、う、ーーっ、………!」
目が覚めると私は実家の水無月家ではなく高専の寮にいた。
そうだ、この春から呪術高専の一年生になったんだった。
入学から一か月が経とうとしているのに、実家にいた時の夢を見て…
「あ…、また涙が出てる…」
体に染みついた恐怖を忘れられるはずもなく、夢見の悪い朝を過ごす。
夢…分かっているのに、全身が震えて動悸が収まらない。
誰かに相談できていたら、何か違ったのかも…。
誰にも言えないまま抱えたトラウマは、今日も私を支配する。
いつかあの忌々しい水無月家に復讐する。
その気持ちでトラウマをなんとか塗り潰して、変わらぬ学校生活を送る。
学校なんて楽しくもなんともない、ただ強くなって、力を手に入れる為だけの復讐のステップに過ぎない。