第2章 馬鹿と告白と初デート
分からないことが多過ぎる。
この前まで中学生だった自分には難しいことばかりで、頭がおかしくなりそう。
「でも…」
五条くんもこの前までは中学生だったのに、私をリードして楽しませてくれた。
「楽しませてくれた…?」
水族館で綺麗な生き物を見て癒されたのも、夜道を会話しながら歩いたのも
「五条くんって…?」
不思議なことの連続。
思い出す顔はちょっとだけカッコよく見えた。
「頭、大丈夫?私…」
胸がモヤモヤするのにドッドッとこだまして、チグハグな感情が頭を支配して。
「変な気持ち…直らないな」
軌道修正できないままのモヤモヤを抱えたまま、倒れるようにベッドに寝転んだ。
目を閉じると頭の中に浮かぶのは五条くん…って、やっぱり変、どうかしてる。
「水族館の余韻がまだ残ってるだけ…」
落とし前のつかない感情は、小さい頃に経験できなかったことの埋め合わせ…ということにする。
明日になってもこの気持ちに整理がつかなかったら、もう一度考え直してみよう。
今日はなんだか、この浮ついた気分のまま寝てしまいたいの。
だってとても「楽しい思い出」だったから。