第8章 違う人と任務
何回かやり取りを続けて『怪我するなよ』とか『俺以外には触らせるなよ』とか、何とか夏油くんとの任務に納得したみたい。
通話をすると『寧々は俺だけを見てて』と宣うから、こっちまで意識してしまう。
前は…メールのやり取りも電話も面倒くさいと思ってたのにね。
不思議、五条くんを好きだと自覚してしまってからは苦じゃない。
常に五条くんからの連絡があるから、自分から送ることはないけど
すっかり通話もメールも日常の一部になった。
「やぁ、寧々ちゃん。すまない、待たせてしまったね。そういうことだから…もう切るよ、悟。自分の任務に集中しな」
「五条くんと電話してたのね」
任務に向かう送迎の車で夏油くんを待っていたら、どうやら五条くんに電話越しに絡まれているようだった。
「悟が絶対に寧々ちゃんに怪我をさせるなってうるさくてね。本当は俺が守ってやりたいとか色々言ってたよ」
夏油くんは私が座った後部座席の隣に腰を下ろして、やれやれと手を広げた。