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A3! 総監督の友達兼右腕

第6章 夏組 『始動!』


すると一成くんが慌てて話を変える。


「そういえば!…結局テンテンとゆっきーは部屋どうすんの?」


一成くんの言葉に私が首を傾げているといづみは少し笑って説明してくる。


「さっきまで部屋割りの話をしてたんだけどね。一成くんと椋くんは同部屋で良くて。…幸くんは201号室、天馬くんは203号室で良かったはずなんだけど…」


いづみの話に頷きながら顔を見つめる。


「はずなんだけど…?どうしたの?」


夏組の皆は支配人に目線を移す。それに釣られて私も支配人を見つめると支配人は頬をかきながら目を伏せた。


「いやー…、ちょっと劇団七不思議を話しただけなんですけどね?」


「……劇団、七不思議…」


私は苦笑しながら呟く。すると支配人は私の表情を見てゆっくりと近づいてくる。


「…信じて無いでしょう…?しかし、…聞こえるんです……。誰も居ないはずの203号室から謎の声が」


「ひっつくなバカ!」


おどろおどろしい話し方で語る支配人と私の後ろで幸くんの声が聞こえる。


「…私が話してるのに」


ぶーっとむくれる支配人に私は首を傾げる。


「そんなの誰が信じて…」


ねえ?、と同意を求めて振り返ると幸くんとありえない距離感でくっついている天馬くんと目が合った。


「「………」」


しばらく無言になってしまう。
そして徐々に天馬くんの顔が赤くなっていく。


「お、俺は信じてないからな!」


「じゃあアンタが203号室で良いじゃん」


少し意地悪な笑みを浮かべる幸くんの言葉に天馬くんは尚更声を上げた。


「それとこれとは話が別だ!」


「はいはい。とりあえず203号室見に行く?」


2人の言い合いを傍から観戦しているといづみは少し微笑んで皆に声をかけた。




皆で203号室の前に立つ。
耳を済ませているが声なんて聞こえない。


「やっぱり何も無いんじゃない?」


私がそう呟くと天馬くんが小さく人差し指をたてる。それに従って黙り込むとほんの少し、物音が聞こえた。


「や、やっぱり何かいるんじゃ…!?」


椋くんが小さく囁くと支配人が皆に声をかける。


「…ここは、私が」


いづみと私は顔を見合せて支配人を見つめた。夏組の皆も支配人を見つめる。

支配人…自分が先頭で入るだなんて、かっこいいところもあるな。



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