第5章 番外編 〘ハロウィン2023〙
「雨国!」
洗濯物を干している時にいづみに話しかけられる
手には可愛らしいワンピースを持って
嫌な予感がしてニッコリ笑って後ずさる
するといづみが私の方へ勢いよく迫ってきて私に負けない笑みで話した
「仮装しよう!雨国!」
無理やり着せられた仮装は黒猫らしい
ふわふわパニエ付きのワンピースで全体的に可愛らしい雰囲気でまとまっている
あまり露出がないようにレース生地の長袖になっているのが良心的すぎる
「雨国可愛い…。」
そう言ういづみも幸くんに無理やり着せられたらしい白猫の仮装をしていて可愛い
「ってか、何で私達が仮装すんのよ…。劇団の皆だけで充分でしょ…?」
劇団の皆はブログとかにも写真を載せるから今頃写真撮り大会が始まっているはず
「今からハロウィンパーティをするの。お菓子交換とかいろいろ!……たまには息抜きも必要でしょ?」
少し困ったように微笑むいづみにハッと気づく
最近やらなけきゃいけない事が多くて劇に関わることも少なかったからか溜息をずっとついていた
それを1番近くで見ていた気を使っていづみが計画してくれたのかもしれない
「……そっか。うん。…こうなったらめいっぱい楽しむ事にする!ありがとう。」
笑う私の顔を見て安心したように微笑むいづみは私の手を引いて談話室に向かった