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神田ユウに愛されている少女

第2章 天空の島





「“黒いリンゴ”は食べちゃダメだよ」


天空の島には沢山のリンゴの木が育っていた。


その中でも注意しないといけないのは“黒いリンゴ”。


虫も動物もみんなが知っている。


大木の“黒いリンゴ”。


それは島の負の感情を吸い取って実をつけるらしい。


誰がそんなもの食べるのか…


はみんなと手を繋いで虹を見ていた。


グルグルと回る虹は太陽を引き立てる。


ぷかぷかと浮かぶシャボン玉はゆったりとした時間をくれる。


夜間はキノコが7色に光り、道に埋められた飛行石が青く行き道を照らす。


この島は不思議で夢を与えてくれる。


そして島には流れ星が落ちてくる。


それは綺麗な星のカケラ…どこに落ちるのかは誰も知らない。


「流れ星!」


振り返ると妹が空を指さしていた。


「近いよ!見に行こう!」


妹と手を繋いで歩き出すと、ピンク蛍が集まって場所を教えてくれた。


川に足を踏み入れるとポロンっと水色に光る氷が生まれて向こう岸に渡る。


「あれ、変なの」


流れ星の落ちた場所につき、が思わず呟いてしまったのは欠片の形が綺麗なダイヤ型だから。


流れ星は欠けた様な歪な形だと聞く。


欠片を拾いあげようとの指が触れると真っ白い光が溢れ出す。


それは地獄の始まりだった。


流れ星を見に行かなければ、みんなと一緒にいられたのに。

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