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私のバイト先は推しグルがよく来るかもしれない件について

第3章 ぼんネコ?


 とはいえ、やっぱりドズル社メンバーさんたちにこうも運良く会えるなんて思わなくて。私は、たまたま偶然、声や雰囲気が似てるそっくりさんに会っただけだと思い込むことにした。そっくりさんだとしても、そっくりさんに会えるだけで幸運なのだから、私はそのことに喜びを味わっていようと思ったのだ。
 そんなある日、いつも通りコンビニ店員をやっていたら、どこにでもよくいるような人が店に入ってきたのだ。スーツを着ていたらサラリーマンとかだろうか。でも今は真夜中だ。
 その時は私も目には止めていなかったんだけれども、レジ仕事も終わって商品を並び始めた時に、棚を挟んだ向こうで声が飛んできたのだ。
「あ、ぼんさん、どうしたんです?」
 え、ぼんさん?
 思わず振り向いてしまった棚の向こうから、コピー機の前で二人の男性が会話しているのが見えた。いつの間にか、もう一人お客さんが入ってきたらしい。
「飯屋の帰りよ。たまたま見かけたから……ネコおじは?」
 ぼんさんと呼ばれた男性がそう訊ねてドキリとした。まさか、さっきのよくいそうなサラリーマンみたいな人、ネコおじさん……?
「これですよ、ランダムブロマイド。買おうと思って」
「あ〜、それね」
 私は急いで商品を並べてカウンターへ戻った。イケない会話を聞いてしまった気がする。あのまま話を聞いていたらファン失格だ。あと心臓がうるさい!
 その後、二人はランダムブロマイドを買って満足した様子でコンビニを出て行った。顔をよく見なかったから惜しい気持ちもあるが、がっつくのはよくない。それに、間近でお声を聞けただけで幸せじゃないか!
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