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さよなら桃源郷(銀魂:銀時夢)

第3章 あたたかな


「っつー訳で、コイツらも万事屋(ここ)に住む事になったから。」

 説明もなしに、銀時は言い放つ。その一言で菊と揚羽の万事屋生活が始まった。

 いきなり万事屋一家に加わった二人の人間に、何も知らない新八と神楽は何事かと銀時に詰め寄る。しかし、銀時が抱えて来た女性が、吉原炎上で助けた遊女と禿であるのに気づけば、二人は驚きと共に成る程、といった態度で生活に戻る。詳しい事情は分からないにせよ、銀時がここ数日、頻繁に吉原に通い詰めていたのは知っていた。というか、新八と神楽が行かせたのだ。何が銀時をソワソワさせているのかは分からなかったが、吉原炎上の後はやかましく感じるくらい落ち着きがなかったのである。

 しかし今の銀時は完全に落ち着いている。銀時の着物に包まれている事もあり、二人は最近、銀時のおかしかった原因が眠っている菊であるとすぐに理解した。普段なら絶対に面倒事を自ら万事屋に持ち込まない銀時が、今まさに面倒事を持って来たのが良い証拠だ。そんな珍しい行動にでた万事屋の社長は、連れて来た二人を適当に新八と神楽に紹介し、これからの事を話す。
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