第3章 TNTになった俺と傷つかない少女3
ガラスの向こうで、ミウがそう話しかけてきた。そうだなぁ。俺は考えたが、俺だって分からない。
「赤色は押してもいい?」
「それは絶対ダメだ」
「え〜」
赤色はきっと、警報かなんかのスイッチだ。しかもカバーまでついているんだから、危ない臭いしかない。
とはいえ、何を押してもらえばいいのかは全く検討がつかない。
「あたし、赤色が好きなんだ〜」
パネルを眺めることに飽きたのか、ミウが突然そんなことを話し出した。なぜなのかと聞けば、珍しい色だから、と返ってくる。
それもそうか。この部屋は、床は真っ白なのに、他は緑の森ばかりで確かに赤色のパネルは目立った。あと他に見えるものといえば、青いパネル……他は白ばかりだ。
「……青も一つしかないな?」
青は信号で言う安全な色だよな?
そんな安直な考えで俺は青いパネルを出来るだけ覗き込んだ。すると下に、随分古い書体の漢字で「解」のようなものが一文字だけ読み取れた。どうなってんだ、この世界観は、と思ったが、今はそれを押してみるしか選択肢はなさそうだ。俺はミウに指示を出した。
「ミウ、その青いパネルを押してくれるか?」
「うん!」
素直なミウは、すぐに頷いてパネルに触れた。