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TNTになった俺と傷つかない少女

第3章 TNTになった俺と傷つかない少女3


「それは、どういう……?」
「分かんない」とミウは答えながら新しいタンポポを拾った。「前から出来たの。でも、この中だと全然ふわふわしない」
 確かに、そんな能力がずっと使えたのなら、このガラス張りの部屋の中でも、ミウはタンポポを空中に浮かべていたんだろう。
 つまりこういうことなのか。このミウって少女はチート並の能力があり、傷もつかない。危険視した博士がここにミウを閉じ込め、様々な実験を繰り返していた、と。
 この中では恐らく、ミウのチート並の力がなんらかの方法で封印されていて……いや、ちょっと待て。だとしたらなぜ、天井の蓋は開いたんだ?
「上のはどうやって開けたんだ?」
「開けて〜って言ったら開くよ?」
 子どもに能力の方法を聞くのは無理な話だったか。なんでも思い通りになる能力、俺だって使ってみてぇよ。
「じゃあ、そこから出られるよな」
「え、ほんと?」
「もう一回、上のやつ開けられるか?」
「うん、やってみる!」
 ミウは天井を睨みつけ、さっきより力のこもった声で開けて、と言った。すると天井はみるみる内に動き、今度は人一人通れるくらい大きく開いた。
「よし、ちょっと待てな」
「どうやって出るの?」
「俺がミウを持ち上げるから、外に出て俺を出して欲しい」
「あたしがメンを出すの?」
「ああ」俺は、ガラス部屋の外にあるパネルを指さした。「あれのどれかを押せば開くはず……ミウ、出来るか?」
「やってみる!」
 俺は早速、ミウを肩車して持ち上げた。ミウは驚き、それから楽しそうに笑ったから無邪気だ。だからこそ、こんなところに閉じ込められたんだろう。
「よいしょっと……」
 ミウは無事に、部屋の天井上をよじ登った。壁はガラス張りなので滑って落ちないか心配になったが、ミウの不思議な力が助けて無傷でパネルの方に向かう。
「うーん……でもメン、どれ押したらいいか分かんないよ?」
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