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TNTになった俺と傷つかない少女

第2章 TNTになった俺と傷つかない少女2


「その前はワニさん、それからヘビさんも来て……大きな虫さんも来たの!」
 ミウは本当に子どもっぽくよく喋り、それがどういうことなのかあまり分かっていないのか楽しそうであった。そして、TNTになった俺がこのカプセルみたいな部屋にミウと一緒に閉じ込められた。つまりは、こういうことなのだ。
 ミウをこんなところに閉じ込めた誰かは、様々な害獣などを使って傷つけようとしている……。
 それは恐ろしい推測でしかなかったが、ミウがこの部屋で今まで何をされてきたのか聞く限り、それしか合点がいかない。
「ここから出ようと思わなかったのか?」
 と俺が聞くと、ミウは驚いたような顔をして、そんなこと考えたことなかった、と答えた。
「だってね、あたし傷つかないから、博士はあたしの力で傷つかないお薬を研究してるんだって」
 博士。なるほど。よくある漫画や映画にある最低なことをするやつだな。俺は会ったこともないやつを心の中ですぐさま悪役と位置づけた。
「ミウの両親は?」
「りょーしん?」
「パパとママ……って言えば伝わるか?」
「パパとママに会いたい♪」
「あ〜……」
 これは、最悪なシナリオしか思いつかない。というか、むしろどうやってハッピーに考えたらいいんだ?
 今のところ、俺はこの訳の分からない夢から醒める様子はないし、まずはここから脱出する方法を考えた方がよさそうだと思った。
「パパとママに会いに行こうか」
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