第10章 TNTになった俺と傷つかない少女10
俺は、目が覚めた。
ここはどこだ、と見回せば自分の部屋の中。自分が布団の中にいたところを考えると、俺は夢を見ていたらしい。
なんだ、結局夢かよと俺は布団から出ようとした時、何か慣れないものが手にぶつかって俺はそれを掴んだ。
タンポポの花輪だった。
だいぶ萎れたタンポポだったが、それが全てを物語っていた。
それでも信じられない俺は、洗面所に駆け込んで鏡を覗く。よかった。TNTの格好はしていない。俺はもう、爆発しないらしい。
それにしても、かなりリアルめいた夢を見たものだな……。丁度手元にタンポポの花輪があるなんて、まるで誰かが仕組んだみたいだ。
あ、もしかして鍵開いていたか? と俺は部屋中の戸締りを確認し、大丈夫だったと分かって俺はよくやく受け入れようとした。
あれは夢ではなかったのだ、と。
寝室に戻ると、スマホに通知が届いていたことを知る。開くとドズルさんから、今日の撮影の話が届いていた。
「今日の撮影は、夢の世界を舞台にしたところみたいだよ」
夢の世界、か。
俺はミウの様々な表情をありありと思い出しながら、返事を打った。
「了解です」
おしまい