第6章 TNTになった俺と傷つかない少女6
「なぁ、ミウ」
「なぁに、メン?」
「ここから飲み物を出すことは出来るか?」
「えっ」
ミウの能力を使えば、ワンチャン自販機から飲み物を出せるんじゃないのか。というか、俺が爆発すれば破壊は出来るだろうが、中身の飲み物が無事である保証はない。ここは存分に、ミウのチートを使うしか手はないと思ったのだ。
「ここにジュースがあるの?」
「ああ、そうだ」
「やってみる!」
ミウは目の前にある自販機を睨みつけた。こうして感情が顔によく出るミウを見ていても、普通の子どもみたいだった。だが、あんなところにいた時点で普通じゃないのは明らかだろう。
俺は自販機へと視線を移した。どんなふうに取り出すのだろうかと思っていると、ガコンとよくない音が聞こえ、ミウは無理矢理自販機をこじ開けたのだ。
「うおっ……すごいな」
「えへへ、すごいでしょ〜♪」
「これでジュースが飲めるな」
俺は開けられた自販機から飲み物を取り出した。開いたというより壊したんだがどっちでもいいだろう。