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歪み

第1章 懺悔


200○年、
“キュゥべえ”は異次元に迷い込んでいました。

そこには血だらけの少女。

彼女は下半身がありません。
彼女は両目がありません。
彼女は口が大きく裂けています。
彼女は何かが右腕に寄生しています。

『コレは酷いね。大丈夫かい?』

皮肉にも大丈夫に見えない少女に“キュゥべえ”は問いかける。返事など返ってこないと思っていた。

「甚爾」

裂けた口から血とともに誰かの名前を読んだ。

“キュゥべえ”の目には彼女のエネルギーが魅力的だった。恋人か、友達か、家族か“甚爾”という人が分からないが人間一人に影響するほどのエネルギーを彼女は十分持っている。

“キュゥべえ”は彼女が死ぬ前に動いた。

『君に叶えたい願いがあるなら、僕が力になってあげるよ』

頭にテレパシーで直接語りかける声。

「この世から…呪いを消し去りたい」

“キュゥべえ”は呪いを知らなかったが、強い祈りに反応したのか“ソウルジェム”が胸から出てこようとしていた。しかし呪いの規模が大きいのか中々出てこない。世界の理が違うからか“ソウルジェム”が2つに分裂して出現した少女の身体の傷が戻っていく。

1つには記憶を、もう1つは魂を片方が壊れてももう片方が生きていれば再生する。

『凄い…“ソウルジェム”が2つも出てくるなんて、君は何者なんだい?』

起き上がった少女は綺麗なピンク色の瞳をしていた。


ーーー
(呪いを消す対価は持っていなかった)
なので、その為の力が与えられた…
先を見通す目、超回復、呪霊の吸収
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