第10章 匂いを嗅ぐ理由
「私の質問にも答えてくれたら、
私もその質問に答えます。」
ハッキリした口調でそう言うと、
「………質問は何だ。」
ミケは乱暴にベッドに座った。
「ミケさん、何で私の匂いを
そんなに嗅ぎたいと思うんですか?」
前回同様、この質問をした途端
部屋が静まり返る。
「……お前、それを聞いてどうするんだ?」
ミケのその問いかけで、
自分の予感が少し確信に近付いた。
「どうするかは聞いてから決めます。
答えてくれますか?」
ミケは少し考える様に天井を見つめた後、
大きくため息を吐くと
「………お前が好きだからだ。」
そう言って顔を伏せた。