第10章 匂いを嗅ぐ理由
「お前、結局
どうすることにしたんだ?」
その日の晩、
アンがミケの部屋に行くと、
ミケは早速アンを問い詰め始める。
「あの後エルヴィンとちゃんと話せたのか?
エルヴィンは何て?」
アンはじっとミケの顔を見つめると
「質問は一個しか受け付けませんけど。」
そう言ってベッドに座る。
「……どういう意味だ?」
ミケは怪訝そうな顔でアンを見た。
「一回につき一答ですよね?」
「それは俺の提案だろうが。
今はお前の話をしている。」
「私もそうしようと思って。」
「……訳が分からないんだが。」
声だけでも、
ミケが混乱している様子がわかる。