第9章 恋をすると
……私の気持ちに応えられなくて、
ということか?
私の気持ちを知っていたのか?
動転しつつある気を押さえようと、
ゆっくり息を吐く。
「いや、団長らしくないところを
見せてしまっただろう。」
予想外の答えに、思わず目を見張った。
「……誰が見ても、
私が彼女を見る目は違うらしい。
自分では意識しないように
しているはずなんだがな……」
エルヴィンは困ったように頭を掻いた。
「……いえ。でも、
すごく好きなんだろうな、
とは思いました。」
そんな言葉が口を突いて出る。
「やはり気付いていたか……」
エルヴィンは小さくため息を吐き、
「それに気付かないのは、
彼女とリヴァイだけだ。
だから他の誰かを連れて行くのは、
少し躊躇いがあったんだよ。」
と、恥ずかしそうな表情を浮かべる。