第8章 優しい表情、そして違和感
……これは思い続けたところで
無理だろうな……
この完全なる恋愛モードに
入っているエルヴィンに、
付け入る隙など見当たらない。
それどころか、
こんなに嬉しそうにしている
エルヴィンを見ていると、
応援でもできそうな気になってくる。
そう思った時、
心のどこかに少し違和感を覚えた。
応援でも出来そう……?
心の中でその言葉を復唱する。
その時、
「アン。大丈夫か?」
再びミケに小声で声を掛けられた。
「悩むのは基地に帰ってからだ。
とりあえず食べろ。」
「……はい。」
アンは軽く頷くと、
考えを中断して食事を再開した。