第1章 突然の呼び出し
……だが、
今回呼び出してきたのはミケ分隊長だ。
関わりは……ほぼない。
いや、ないと言い切っていい程に、
関わっていない。
初対面の人の匂いを嗅いでは、
鼻で笑うクセがある。
そんな噂は聞いていたが、
私はそんな行動を
取られた覚えがなかった。
それどころか、ここに来てから
一度も目を合わせた記憶すらない。
呼び出されたことにも驚いたが、
まずミケが自分の名前を
知っていたことに驚いていた。
そんな無関係な相手に呼び出され、
足取りが重くならない筈がない。
だが歩いている限り、
部屋には一歩ずつ近付いていく。
「怖いなぁ……」
思わず呟いたその時、