第8章 優しい表情、そして違和感
「エルヴィン団長、いらっしゃいませ。」
食堂に入った瞬間、
明るい女性の声に出迎えられる。
「いつもの席は空いてるかな?」
エルヴィンがそう問いかけると
「空いてますよ。
見ての通り、今日も暇なので。」
女性は呆れたように肩を竦めた後、
こちらに目を向けた。
「いらっしゃいませ。」
そう言った女性は、さっきと変わらない
明るい表情で頭を下げる。
「団長が兵長以外の誰かと一緒に
ここへ来るなんて珍しいですね。」
女性はそう言ってエルヴィンを横目で見た。
「そうかもしれないな。
是非一緒に来たいとせがまれてね。」
エルヴィンはそう言った後、
少し後ろに下がり
「調査兵団で分隊長をしているミケと、
兵団の料理人をしているアンだ。」
と、女性に紹介してくれる。