• テキストサイズ

密かな交換条件【進撃の巨人】

第6章 執着と後悔





それから数週間後、アンは珍しく
食堂で声を掛けてきたミケに連れられて、
使われていない訓練部屋に来た。



「最近俺の部屋に来ないが、
もうあいつのことはいいのか。」


ミケのその問いかけに、
少しの怒りを覚える。


もういいのか?

いい訳がない。


一年近く想い続けた相手を、
そんな簡単に諦めたくない。



……だけど、他に好きな人がいる相手を
しつこく想い続けるような
執着心を持ちたくない。


恋愛でも仕事でも、無駄な執着はしない。

自分は元々そういう性格だ。




「………もういいです。」

アンはそれだけ言うと、口を噤んだ。



これ以上言葉を発したら、
きっとミケを責めてしまうだろう。

だが、自分はミケを責められる立場ではない。

/ 74ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp