第3章 ミケの提案
ミケは少し沈黙した後、
「お前はなかなか現金な奴だな……」
と、口元を緩めた。
ミケの部屋に行けば、
エルヴィンの新しい情報を聞き出せる。
それによって、もしかしたら
エルヴィンに少しくらい近付けるかもしれない。
そう思いかけるが、
「……でも、それって
本末転倒じゃないですか……?」
と、訝しげな表情を浮かべた。
「意外と冷静に考えることも出来るんだな。」
ミケは小さく笑う。
「だが、お前もあれだけ善がっていたんだ。
気持ち良かったんだろう?」
ミケのその言葉で、
アンは一気に赤面した。
「俺はお前の匂いが嗅ぎたい。
お前は気持ち良くもなれるし、
エルヴィンの情報も手に入れられる。
悪い話ではないと思わないか?」