第3章 ミケの提案
「エルヴィン団長が、
想像を遥かに上回るすごい人だってことは
理解できました……」
アンは抑えきれず、
再び大きくため息を吐く。
「そうだ。あいつは俺たちの
想像を絶することしかしないからな。」
そう言うミケの顔は嬉しそうに見えた。
「それなら今も、
好きな人はいないってことですか?」
アンは真剣な表情でミケに問いかける。
だが、
「そこまでそんな簡単に
教える訳にはいかない。」
と、あっさり問いを棄却された。
「……そうですか。」
あからさまに残念そうに
目を伏せるアンだったが、
「お前がまた俺の部屋に来るなら
考えてやってもいいが。」
と言うミケの一言で、顔を上げる。