第3章 ミケの提案
「……だが実際はエルヴィンに
抱かれたかったんだろう?」
ミケの予想外の発言を受け、
「なっ、何でですか?!」
と、アンは間を置かず声を上げた。
「あれだけエルヴィンのことを見ていて、
気付かない方が少数派だろう。」
ミケは呆れたように言うと、
匂いを嗅ぐのを止めて
ベッドに仰向けで寝転んだ。
「……私、そんなに
エルヴィン団長のこと見てますか……?」
アンは恐る恐る問いかける。
「ああ。かなりな。
いくら恋愛に疎いエルヴィンでも、
あれだけ見られてたら気付くんじゃないのか?」
……無意識だった。
まさか第三者に気付かれてしまう程、
エルヴィンのことを凝視していたとは……
心ともなく大きなため息が漏れた。
それと同時に、さっきのミケの発言の中に
一つの疑問が浮かび上がる。