第2章 匂いと誘惑
だが、
「おい、何をする気だ?」
ミケは怪訝そうな表情でアンを見る。
「……いや、え、今、欲求を満たせって……」
どもりながら言うアンに
「ついさっきまで酷く拒絶していたくせに、
いきなり積極的なことをしようとするんだな。」
ミケは頬を緩め、フッと息を漏らした。
初めて見るミケの緩んだ表情を、
アンは思わずじっと見つめる。
こんな顔で笑うのか……
そう思うと、少し鼓動が早くなる。
「……俺の欲求は、
そんなことでは満たされない。」
ミケはアンの目を見つめ返すと、
スカートを捲りあげ、太腿に指を滑らせた。
「んぁっ、ちょ、え?
ま、どういう事ですかっ?」
アンはミケの唐突な行動に驚き、
思わずミケの肩を強く押す。
「俺の欲求を満たしてくれる気に
なったんじゃなかったのか?」
ミケはそう言うと、
下着越しに陰部の匂いを嗅ぎ始めた。