第2章 匂いと誘惑
「い、いや、そう言う問題じゃないです!
好きでもない相手とこんなこと出来ま」
そう言いかけたところで再び唇を奪われ、
「そんなことは聞いてない。少し黙れ。」
と、乱暴に舌を絡められる。
自分勝手すぎる。
私の意思はまるで無視か。
……だが、自分の意志とは裏腹に、
湧き上がる情欲が身体を火照らす。
キスだけでこんな状態になるなんて……
ミケは唇を首元まで滑らせ、
胸を優しく揉み始めた。
「……っ、ちょ、ほんとに、」
「そんな顔をしておきながら、
本当に嫌だと思っているのか?」
紅潮した顔をしておいて、
完全に否定することは出来ず思わず口籠る。
「気持ち良くしてやるって言ってんだろうが。
お前は何も考えず、俺に任せておけばいい。」
ミケの強い言い回しに、アンは何も言えず
再びミケの思うままに身体を弄られ、
声を上げないように口を手で押さえる。