第2章 匂いと誘惑
ミケのキスは強引な言葉とは裏腹に
とても優しく、
唇を啄むように柔らかく
アンの唇を包み込む。
ミケは一瞬唇を離すと、
「なかなかそそる顔をするな……」
そう言って鼻で笑った。
アンは何も言えず目を伏せると、
ミケは再び唇を重ね
ゆっくりアンの口内に舌を入れ、
優しく舌を絡める。
気持ちがどんどん昂っていく。
……このままじゃ流される……
「……はぁっ、ん……、
ほんとにこれ以上は無理です……」
アンはミケの胸元を押さえ、唇を離した。
「何だ、お前初めてなのか?」
あまりに的外れな質問に、
アンは一気に赤面し、
「は、初めてじゃありません!」
と、思わず声を荒げる。
「なら別にいいだろう。
やり方が分からない訳じゃないんだろ?」
ミケはそう言うと
アンをベッドに押し倒した。