第2章 匂いと誘惑
「匂いを嗅がれただけでは
欲情しないんだろう?
それなのにそんなにいやらしい顔になるのか。」
ミケはアンの顎を引き上げ小さく笑う。
アンは何も言えずにミケから目を逸らすと
「他の場所も匂わせてくれるなら
楽にしてやってもいいが。」
ミケはそう言いながら、
アンの太腿を指先でそっとなぞった。
「ぁんっ……!」
思わず声が漏れ、咄嗟に口を押える。
「……強がらなくてもいいだろう。
悪い話じゃないと思わないか?」
ミケは太腿をなぞった指を、
そのままシャツの中に滑り込ませ、
指先で背筋を優しく刺激した。
「っ……いや、ダメです。」
アンは背中に回されたミケの腕を掴むが
「そんな顔で言われても、説得力に欠ける。」
と、もう一方の腕で引き寄せられ、
唇を奪われる。