第12章 私目線
MEN豚が何しに行ったのかは分からなかったが、私はなんとか腕を伸ばして体温計を手に取った。熱を測ってみる。うわ、四十度もある。
さすがに、最近流行りの病気じゃないよね? と不安に思いながら、ズルズルと床を這いながら部屋の扉まで来たところ、五人のMOBが入ってきて驚いた。え、開けてくれたの?
見るとMEN豚は誇らしげな顔をしていた気がした。本当、器用な手乗り豚だなぁ……。
いいや、そんな関心している場合ではない。私は壁伝いでなんとか立ち上がろうとした。
「ごめんね、お腹空いたよね……」
しかし、私の体は重力に逆らえず倒れてしまった。昔から私は熱に弱い。とはいえめったに体調なんて崩さないのに。どうしよう、五人のご飯出さないと。
「えっと、台所の下にね、みんなのご飯あるから、食べてね?」
と五人に言ってみるが、伝わるはずもない。まずは雪だるまドズルがこちらに近づいて額に触れてくれた。冷たくて、気持ちいい。
それから遠慮しがちにぼんスケルトンが近づいてくるので、手でそっと寄せて頭を撫でた。この前は着せ替え人形にしちゃってごめんね。あなたはあなたのままが一番好きだから。