第1章 五人のMOB紹介
三人目のMOBは牛おらふくん。牛といっても手乗りサイズなので、牛おらふくんも飼育カゴの中で暮らしてもらっている。
牛おらふくんの助かる面は、いつでも牛乳が飲めることだ。
牛乳が大好きな私は、おかげで毎朝牛乳三昧。最近物価も上がってきたからとても助かるし、牛乳は唐揚げに漬け込んだりフレンチトーストにも使えるから一石何鳥にもなる。いいや、一石何牛だ。
それに、欲しいと言うとたくさん出してくれるので本当にいい子。わざわざバケツに入れて渡してくれるなんて、律儀な牛さんなのだ。
時々カゴから出してあげると楽しそうに散歩をしている。たまに迷子になっていたけれど、最近は自力で帰ってくるようになったので外で放し飼いすることも多い。あ、頭に葉っぱが乗ってる。今日はどこまで出掛けていたのかな。
四人目は、ちょっと危険と言われているホグリンの子どもだ。私はおんりーと名付けて頑丈なオリの中で飼っているんだけれども、歩き回るものの、オリに体当たりをしたり寝床を散らかしたりしないので、好奇心が勝ってしまい、素手でご飯を与えてみたら、驚くことに丁寧に食べてくれて一瞬で警戒心が消えた。
もしかしてオリの外も大丈夫なのでは、と完全なる憶測で出してあげると、最初はゆっくりと、それからどこかへと走って行った。
最初は何か破壊されてしまうだろうか、と不安にもなったが、物音もなく静かに戻って来たところ、比較的このホグリンの子どもは大人しい性格なのかもしれないと思った。その内外にも連れ出すと、何かしらお土産を持ち帰ってくるようになった。私が喜ぶからか、最近は木の実やガラス玉を拾ってきてくれる。
五人目は手乗り豚のMEN。手先の器用な豚ちゃんで、飼育カゴの中で寝床を屋根付きに作り替えていることには驚いたな。
なので私は、着なくなった服を布切れにして渡すとあっという間に飼育カゴの中を飾り付けしていた。切れ端の木材なんかを与えてみると、さらに進化した寝床などが出来上がっていて、もしかして工作が好きなのかもしれないと、カゴの外に出してみたら早速あちこちと装飾をしてくれた。今ではMEN豚ちゃんのカーテンの飾りがお気に入りだ。