第4章 子供になっても…
プルルルッ
寝ている時に不意に携帯が震えた。何事かと思い、端末画面を見て見るとムラサキさんから着信が来ていた。
「はい、もしもしー」
『ヒカリ、今日は迎えに行けない』
「え?」
朝から電話をしてきて第一声がそれだった。意味が理解出来ず、ムラサキさんに聞き返すと「事務所に来てくれ」と言われたのでとりあえず、了承し電話を切った。
「…ムラサキさん、どうかしたのかな?」
こっちまで来れない理由…
分からないがハマトラ事務所に行けば分かる。布団から出て適当に着替える。午前8:15。朝食を軽く食べ、家を出た。
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「おはようございますー」
「あ!ヒカリさーん、おはようございますー」
ハマトラ事務所に顔を出すと最初にコネコさんが元気に出迎えてくれた。店内は相変わらず、ガラガラで居るのはナイスくん、はじめちゃん…ん?こ、子供??
「こ、子供がいますけど…」
カウンター席に奥からはじめちゃん、ナイスくんときてナイスくんの隣には小さな子供が腕を組んで座っていた。…どことなくムラサキさんに似ているのは気のせい?
「聞いて驚けー!こいつはムラサキだ!」
「え…ぇええ!!?ムラサキさん!!?」
ナイスくんは我慢できないとでも言いたげに笑い出す。ムラサキさん?とおぼしき子供は眉間にシワを寄せて不機嫌そうに言い返す。
「ナイス!笑うな!俺だってなりたくてなった訳じゃない!」