第2章 依頼人
キィ…
と少し軋んだ音と共に喫茶店のドアが開いた。
「あの、ハマトラ探偵事務所ってここであってますか?」
「はい!そうですよ!私は仲介役のコネコと言います!どんなご依頼ですか?」
最初に話しかけて来たのはポニーテイルの髪に眼鏡をかけたコネコと名乗る少女だった。腰からは名前の由来であるのか猫の尻尾が動いていた。
コネコさんに勧められるまま、椅子に座り、机には手作り感満載のプレート。ペンで『ハマトラ探偵事務所』と書いてあった。そして目の前に二人の青年が座った。
「で?依頼は?」
ヘッドホンを首からかけた青年が身を乗り出して聞いてきた。
「ナイス、とりあえず、名前を聞くのが先だろう」
「おっと忘れてた、名前は?」
隣に座っていた眼鏡の青年が呆れたように訂正をした。
「ヒカリといいます、依頼と言うのは…」
ここで一呼吸置いてから、口を開く。
「彼氏役と護衛をお願いしたいんです」