第3章 人探しと再開
パーティの一件から丸一日が経った。
「ズバリ!ムラサキさんの好きな女性のタイプは!?」
「タイプかー…ってなんてこと聞くんだ!!」
「おぉーノリ突っ込みっ」
今、私達はマスターに頼まれたものを買う為にショッピングモールに来ていた。ティーカップが欲しいとかなんとか…。
「なんで俺達なんだ…」
「まあまあ、いいじゃないですかっ」
丁度、手が空いていたのが私達しかいなかったので頼まれたのだ。
「今日はえらく上機嫌だな」
「えへへー分かっちゃいます?」
「緩み切ってるぞ、頬が」
ムラサキさんが少しだが、心を開いてくれたような気がしたのでつい嬉しくなってしまう。
…あれ?なんだろ…この感じ
「マスターに言われてたのは…あ!これですね!」
「いや、違うだろ…柄が少し豪華すぎる」
「えー絶対これですよー」
「こっちだ!」
雑貨売り場のティーカップが置いてある場所で互いにカップを持ってこっちだ!と言い張る。
「ねえねえ、あれカップルかな?」
「あ、もしかしてお揃いのティーカップでも選んでるのかな?」
「キャーっいいなあ~」
そんな噂話をされているなど思っていない私達はしばらく、ティーカップのことで揉めていた。
「ムラサキさんのはシンプル過ぎますよ!」
「これくらいが丁度いいんだ」
「分かってないですよ!これくらい柄がある方が素敵なんです!」
「ヒカリ!」
「は、はいっ」
急に名前を呼ばれ、反射的に返事をしてしまった。ムラサキさんに名前を呼ばれるとついドキドキしてしまう。