• テキストサイズ

雪だるまの虹

第4章 虹色のパン


「ちょっと待って……虹色のパンって変だよ。何か毒があるんじゃないの?」
 と僕が言うと、おらふお兄さんは目をぱちくりとさせた。
「それもそっか。虹色のパンって、普通じゃないもんなぁ」おらふお兄さんはそう言って虹色のパンを手に取った。「見ててな? 僕が先に食べてみるから」
 そしておらふお兄さんは、パクリと虹色のパンを食べたのだ!
 それから美味しそうに食べるから、弟は我慢出来なくなって虹色のパンに齧り付いた。僕もお腹が空いていたから思わず食べてみると、ふわふわのパンに、甘い果物が入っていて本当に美味しかった。
「美味しい……!」
「美味いやろ?」
 僕が感想を言うと、おらふお兄さんは嬉しそうに笑った。僕も嬉しいはずなのに、なんだか涙が溢れてきて止まらなくなった。おらふお兄さんは慌てた。
「え、なんで泣いてるん?」
「お母さんが……よくパン作ってくれたから……」
 僕は泣きながらそう言った。僕たちは最初から孤児だった訳じゃない。パン屋さんをやってたお母さんと一緒に暮らしていて、だけどお母さんは病気になっちゃって……。
 横にいた弟も、僕につられて一緒に泣いた。おらふお兄さんも困ったようにオロオロしていたけど、そうだ! と何か思いついて僕の目の前に何かを見せた。
/ 12ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp