• テキストサイズ

雪だるまの虹

第1章 子どもの頃の不思議な体験


 僕は子どもの頃、雪だるまの虹を見たことがある。

 僕は子どもだったから、今日は絶対青い服を着るんだとワガママを言って親を困らせた。

 その日は家族とお出掛けをする日。僕はどうしても、お気に入りの服を着たかったのだ。

「洗濯しちゃったから、こっち着よう?」

 なんて親に言われても、僕は納得出来なくて。

 バタバタと自分の部屋に上がって行った時に、僕は雪だるまと会った。

 セミがやたらうるさく鳴いていた暑い夏の日。雪だるまみたいな白と赤いマフラーがとても印象的で。

「どうして怒ってるん?」

 その人が聞いてきた。

「僕の服がないの」

 僕はまだ幼かったから、拙いながらもなんとかそう伝えると、その人はケラケラ笑った。

「じゃあ僕が染めてあげますよ」

「そめる?」

「好きな色は何色?」

「青!」

 と僕が答えると、またその人はケラケラ笑って。僕と同じ色や、と青い帽子を指してそう言った。

 それから僕のタンスから真っ白なTシャツを取り出して、指を一振した。

 すると白いTシャツがあっという間に青色に染まって。僕は呆気に取られていた。

「これでどうやろ?」

「すごい!」僕は素直に感想を伝えた。「お兄ちゃん、魔法使いなの?」

「僕はおらふくん。雪だるまやで」

 白い髪に眩しいくらいの笑顔をした、雪だるまなお兄さんがそこにいた。
/ 12ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp