第3章 たくさんの初めて
傑「この前、海に行った時にあまりの可愛さに言葉を失ってしまってね。言葉で伝えるのを忘れてしまったんだ。とても可愛かった。でも他の男に見られるのが嫌でTシャツを着せたのに、君が脱いでしまったから落ち着かなくてね。後半は不機嫌になってしまっただろう?それを謝りたかったんだ。」
えっ!気にしてくれてたんだ…
それに可愛いって…もうそれだけで十分。
『ありがとうございます…。傑さんに見て欲しかったから…恥ずかしいけどあの水着にしたんです。』
俯き加減でそう話すと
傑「んん゛…そういう可愛いことを言われると我慢ができなくなってしまうよ。」
そう言いながら隣に移動してきた傑さん。
恥ずかしくて目が合わせられないでいると、頭を引き寄せられおでこにキスされた。
ちゅっ…
と音を立てて離れていく。
真っ赤になった顔を見られたくなくて、傑さんの胸に顔を埋めた。
傑「ははっ!耳まで真っ赤だね。
今度は二人でプールにでも行こう。あの水着を私のためだけに着てくれるかい?」
二人で…
と頭の中に繰り返される。
静かに頷くと、傑さんがそっと抱きしめてくれた。
傑「じゃあ、映画でも観ようか。せっかく色々買ってきたしね。」
と雰囲気を変えてくれて、映画を見たりおしゃべりしたりして、私が眠くなるまで一緒に過ごした。
すごく幸せな時間だった。
でもずっとドキドキして、映画の内容は頭に入って来なかったんだけど。