第3章 たくさんの初めて
眠くなってきたけど、まだ傑さんと一緒に過ごしたくてなんとか耐えていた時に電話がきた。
こんな時間に誰だろう?
ケータイを見ると
『…悟さんからだ。出てもいいですか?』
傑「こんな時間に女性に電話をするなんて、失礼だな。」
喧嘩の仲裁なら断ってくれと付け加えて、出ていいと合図をくれる。
なんて紳士的なんだろう。
こんな時間まで私と一緒にいることは棚に上げた発言だったけど、そこは疑問にも思わず電話にでた。
『もしもし、悟さん?どうしました?』
悟「おまえ、今どこにいんの?部屋にいねぇから探してた。明日、本家に行くから、お前も来いよ。じゃ、明日10時な」
と一方的に切られてしまった。
嵐のような人だなぁ。
傑さんに内容を話すと眉間に皺が寄る。
傑「…それは悟と二人きりで行くということかい?」
腕を組んだまま悩んでいる。
『何の用で行くんですかね?もしかしたら私のことがバレたことについてとか?』
それ以外に私も同行する理由がない。
傑「はぁ…それじゃあ断れないじゃないか。私はどちらにせよ任務が入っているから行かないのだけど…可愛い風海が悟と二人きりになるのが心配なんだ。海の時もよからぬ跡をつけていただろう?」
そう言いながら抱きしめてくれる。
思い出して頬を赤くすると、面白くなさそうな傑さん。
傑「他の男を思い出して頬を赤らめるなんて、妬けるな。とりあえず、身の危険を感じたら誰かに連絡をするんだよ?」
そう約束をして、明日のこともあるので部屋に戻ることにした。
さっきまで眠たかったのに、一気に目が冴えてしまった。
傑さんはいつでも心配してくれるけど、私だって心配なんだよ?キレイな補助監督のお姉さんと仲良くしてるの見たりすると、黒い感情が湧いてくる。明日の傑さんの任務は、男性の補助監督さんだといいな。
部屋に戻ってから、すぐにシャワーをして明日の準備をする。