第2章 呪術高専
硝子さんと七海くんに呼ばれて海から出ると、なぜか苦笑いというか、複雑な表情をしている。なんで?
硝「あぁ〜…ちょっと風海、トイレ行こう」
そう言うなり手を引かれた。
トイレに向かっているところで、人だかりができてるのが見える。その中心には傑さん。遠くからでもよくわかる。だってかっこいいもん!…けど、ちょっと触られ過ぎてない?どうして嫌がらないの?
やっぱりあーゆーお姉さんが好きなのかな?だから私にはTシャツ着せて…なんか悲しくなってきた。
と、思ったら目が合う。
なんか見てたら涙が出そうになって、その場から離れた。
私が泣くのはおかしい。
だって私が勝手に好きなんだから。
だって彼女でもなんでもないんだから。
硝子さんが追いかけてくれてるのがわかるけど、周りから声をかけられるのがわかるけど、そんな余裕ない。
パラソルの近くまで来たけど、こんな顔のまま戻れないなと思い、ちょっと海に入ってこようとコースを変えた。
すると、肩をガシッと掴まれる。
悟「おいっ!どこ行くんだよ?1人で行動すんなって言ってあるだろ?バカか?」
今声をかけられたら泣きそうなのに〜
と思ったと同時に涙が溢れた。
当然悟さんも驚いたようで、そのまま抱きしめてくれた。
悟「なんだよ?泣くほど痛かった?」
頭を横に振る。違うの…でも止まらない…
悟「とりあえず、その服脱げ。傑みたいで気持ちわりぃ。はいバンザイ」
と言って脱がされる。
1番泣き顔を見られたくなかった人に見られて、絶対からかわれると思っていたが、意外にも何も聞かずに寄り添ってくれた。
しばらくして私が泣き止むと、パラソルのところに戻ることになった。…悟さんと手を繋いで。
当然傑さんも戻ってきているわけだけど、さっきの女の子たちも近くにいた。私に気がついた傑さんは一瞬驚いたような顔をしたけど、何事もなかったように話しかけてくる。
怒るのは違う。私にはその権利はない。
けど、ちょっと気まずそうにしてくれてもいいのにと思ってしまった。
傑「風海、Tシャツ脱いだのかい?色白だから、日焼けで真っ赤になってしまうんじゃない?」
…本当に私の心配?