第2章 呪術高専
夏油side
到着する時間が遅かったからか、空いてる場所が見当たらない。パラソルをレンタルしたものの、立てる場所がないとは…
硝「しょうがない。風海、先に着替えに行こう。おい、クズども、場所確保しておけよ?じゃないと水着の風海を晒しながら場所探すことになるぞ?」
それは困る。非常に困る。隣に悟がいるのに風海を見て鼻の下を伸ばしている男がどれだけいるのかわかって言っているのか。
硝子のことだ、わざと言っている。
可憐な彼女をオカズにされるのだけはご遠慮いただきたい。
じゃないと殺してしまうかもしれない。
わざわざ硝子が彼女と離れてくれたのだから、こちらだって使いたくない手を使うしかなくなる。
半分ナンパのようにして声をかけて、場所を空けてもらう。
今までの私たちは、どちらが美人を仕留められるか勝負したり、1人の女性をどちらが落とすかなど、本当にどうしようもない遊びや賭け事をしてきた。硝子にクズと呼ばれるが、あながち間違えではない。
だが、風海に出会ってからは一度もしていない。それだけ悟も本気だということ。
悪いが、今までのどの勝負よりも負けたくはない。
ただの負けず嫌いではなく。
ナンパだと思われたくはないが、声をかけた女の子たちも硝子や風海の容姿を見れば諦めざるを得ないだろう。
悪いね。
硝「よくこんな場所取れたね〜」
という声がして振り向くと、硝子と胸元はフリル、下はサイドが編み込みの青い水着を着た風海がいた。
傑「風海…君は…」
もう、なんて言っていいのかわからないくらい…というより、周りが見えなくなるってこういうことなんだなと、今実感している。
柔らかそうな色白の肌が、編み込んである隙間からのぞいている。眼の色と同じような海のような青がよく似合う。
本人は気にしているらしいが、メリハリのある身体で絶妙にエロい。
悟「めっちゃエロいな。選んだの硝子だろ?w
風海が自分で選ばなそうなデザインだもんな」
『…変じゃないですか?』
変じゃない!似合っている!
力強く言うと、全員が同じことを言っていた。
君は自覚がないのか。こんなにも可憐で美しいのに。