第2章 呪術高専
硝子さんは夜蛾先生を呼びに行ってしまった。
さっきの人、起き上がってる…私の涙が染み込んで治ったんだ。
待って、でも傑さんは…?涙で治るの?
涙が止まらないの。
早く会いたい。
「ねぇ君は誰?俺1級術師なんだけどさ…ところでなんでそんなに泣いてるの?こっちおいでよ。」
仕事をしないと。
役に立たないと。
今は泣いてる場合じゃないのに。
『…私、1年生です。体調はどうですか?』
包帯を外しながら怪我があった場所を確認していく。
向かい合う体勢で、抱きしめられ頭を撫でられる。
「そんなに泣かないで。」
優しい言葉をかけられると、もっと涙が溢れちゃうからやめて。
それに抱きしめて欲しくないの。
私が抱きしめて欲しいのは…
それでも離してくれない。
私が抱きしめてほしいのは誰?
どっち?
『いや…やめてください…離して』
悟「硝子!傑が…」
その時、悟さんに肩を貸してもらいながら傑さんが入ってきた。
よかった…何とか自分で歩いてる!
でも顔が血だらけ…
『傑さん!!大丈夫ですか?!』
悟「いやっ!お前が大丈夫かよ?おい、離せよ」
悟さんが1級の人と私を引き離してくれる。
悟「誰の女に手ぇ出したのかわかってんのか?!」
「んだよ、五条の女かよ」
そのまま殴られて気絶。それは可哀想。
この人、私を慰めようとしてくれてただけなのに…
なんかすみません…
でもごめんなさい、今それどころじゃない!
『傑さん…傑さん…大丈夫ですか?怪我はどこ?』
傑「あぁ…悪いね風海、鼓膜が破れたみたいで聞こえないんだ。少し頭も打ったから平衡感覚が…」
あぁ…なんて痛そうなんだろう。
なのに泣いてる私を安心させようと笑ってくれてる。
思わず座っている傑さんの胸に飛び込んだ。
生きててくれてよかった…
悟さんも近くに来て、私の頭を撫でながら任務での状況を説明してくれた。無下限で防いだものの、傑さんには当たってしまった。特級呪霊だったのに、この程度で済んだこともラッキーだったと。
傑「…悟…何か拭くものを持ってきてくれ。…たぶん怪我が治ってる。」
どれくらいこうしていたのかわからないけど、傑さんの声にハッとした。
悟「…!!ちょっと待ってろ!」