第2章 呪術高専
硝子side
体術訓練のあと、教室に夜蛾が飛び込んできた。
特級相当の受胎が胎生し、1級術師複数名が対応中だが、避難が間に合わず怪我人が多数出ているとのこと。
事情を聞き、私は医務室へ。
クズ2人は立候補して呪霊討伐へ向かった。なんだかんだ言っても、アイツらは強い。五条はともかく、夏油も呪霊相術で取り込んだ呪霊でほぼ無双状態だもんな。腹立つ。
医務室への移動中、
夜蛾から風海を呼ぶよう言われる。
意識のない人になら、涙を試せるのではないか?
治っても意識がなければどのように治ったのかもわからないはず。なかなかいいこと言うな、この脳筋野郎は。
果たして涙が出るかが問題。
やっぱでないか…
そりゃそうだ。
知らない誰かのために涙なんて流せないよな。
じゃ、一芝居うつか。
と思ってたら五条から電話がきた。
硝「なに?このくそ忙しい時に…
夏油が?…わかった。すぐ連れてきて。」
ナイスタイミング。
命に関わる怪我じゃないけど、深刻に話したら泣くんじゃないだろうか。
硝「風海、落ち着いて聞けよ。呪霊は祓ったんだけど、夏油が怪我して今運ばれてくる。」
夜「状況確認をしてくる。待ってろ!」
脳筋まで騙されやがった。もし本当に大変な怪我してたら、私じゃなくて先生たちに連絡いくだろ。
予想通り眉が下がって泣きそうな顔になってる。
溢れそうになった時に腕を引き怪我人の素肌にかかるようにした。上手い具合にゲガしてるところにはかからなかったが、1滴の涙が肌に染み込んで、みるみるうちに怪我が治っていく。
私が言うのもなんだけど、ちょっと気持ち悪い。
この能力はバレたら、まずいな。
過去に拷問されたのも頷ける。
あとはこの怪我人の意識が戻れば…
おっ?目が開いた。怪我が治ってから意識が戻るまでも早すぎる。
硝「…調子はどうですか?怪我して意識がなかったんですよ?」
私がいることで反転術式で治ったんだと思ってるはず。
「あ、家入さん…ありがとう。」
硝「まだ寝ててください。ちょっと夜蛾先生呼んできます」
てめぇは治ったら用済みなんだけどな。
さっさとあっちいけ。といいたいとこだが、脳筋に見せないと。
硝「風海は、ここにいてよ?」