第7章 年始
これから五条家に出発する。
いつものようにお迎えが来てくれて、車に乗り込む。
いつものように私が真ん中。
助手席に座る傑さんがいないな…と寂しくなる。
傑さんは元気にしてるかな?
悟「ではまた改めて伺います。」
父「あぁ、今度は夏油くんも連れてきなさい。…それと風海、自分の思うようにしていいが、五条家の皆様に失礼のないように。」
悟さんと何か話したんだろうか?儀式が終わったからなのか、お父さんの雰囲気が、表情が、柔らかくなった気がした。
反対に陸くんの表情が固いけど、大丈夫かな?
『はい。また連絡するね!
陸くんも海上さんもありがとうございました!』
こうして五条家へ出発した。
車内では
硝「それにしても、あの儀式はいつから続いているの?あんな格好で…見てるこっちがドキドキしちゃうよ」
いつからだろう?物心ついた頃から私がやってたけど、その前はお父さん、その前はおじいちゃんが行っていたと聞いた。
お父さんたちはふんどしだったって言ってたから、それよりかはマシだと思う。
悟「本当だよ?!セックスする時には恥じらうくせに、他の男がいるのに普通にしてるしよ…俺の女だって、少しは自覚しろよな?」
なんてこと言うの!!
硝子さんはともかく、運転手さんは五条家の方でしょ?!いいところのご子息なのに、こんなふしだらな女だと思われたらどうしよう…チラリとバックミラーを覗き込むとあからさまに目を逸らされた。
顔を真っ赤にして悟さんに抗議しようとすると、硝子さんに着信があり、電話に出る。
硝「…もしもし?今、車で五条の家に向かってます。
…えぇ〜だって年末なのに!
…わかりましたよ〜…はい。電車で戻ります。」
どうしたんだろ?
すごく嫌そうな顔してる…
硝「緊急事態。私、高専に戻らなきゃいけなくなった。」
えぇ!悟さんと2人は気まずいよ…
何でも、術師数名がすごい怪我を負っているようで、硝子さんの力が必要なんだととか。眉の下がる私を見て、
硝「あっ!でも、夏油じゃないよ?」
思わず、ホッとした。