第6章 年末
風海父side
五条くんの話に頭を抱えた。
たしかに可愛いし素直な娘だ。だが、こんなにもハイスペックな男たちに取りあわれることになるとは…
幼い頃はこのまま陸くんと結婚するんだと信じて疑わなかった。なのに、さらにその強さを上回る2人の呪術師に取りあわれることになるとは、予想すらしていなかった。
陸くんの悔しさもわかる。
ずっと見守ってきた女の子が後から出てきたやつに攫われる悔しさ。
なのに強さではかなわない悔しさ。
どうしたものか…
風海が安全に、幸せに生きていけるならなんでも良い。
だが、2人に愛されることで幸せだろうか?
君が嫌がることを言ってみようか。
どう出るかで決めよう。
父「だが、風海は一人娘だ。今までの歴史を知らなかったとは言え、儀式をするために武神家の名がなくなる訳にはいかないんだ。君は五条家の一人息子だろう?」
まったく表情を変えず、
悟「それならば、傑を婿に迎えたらいい。でも俺は当主として風海を守ります。呪術界を正さないといけない。
…正直、家のことなんてどうでもいいんだ。御三家といえど、腐った呪術界をどうにかしないと、無駄な争いはなくならない。
まぁ、風海のためなら、呪術界…というより、日本をどうにかすることくらい、どうでもいいと思っています。俺と傑なら、それができる。」
なんてやつに好かれちゃったんだ。
うちの娘は…
ただ、覚悟は伝わった。それに日本を、世界をどうにかすることが出来るというのもわかった。適当そうに見えたが、責任感の強さもある。
自分たちの好きなようにさせてあげよう。
それも新しい愛のカタチかもしれない。
父「娘が泣くことのないようにだけ、お願いしたい。よろしく頼むよ、五条くん。夏油くんにもよろしく伝えてくれ。」
悟「改めてご挨拶に伺います。」